マイホーム?賃貸?こらからの住まいについて決める人が、絶対に考えるべき8つのポイント
マイホームを購入するか、賃貸住宅を借りるかの選択は、多くの人にとって生活の重要な決定になると思います。
どちらが最適かを決定する前に、ぜひ一度よく検討してほしい内容があります。
先に結論からお伝えしますが、検討してほしい内容は以下の8つになります。
- ライフプラン(将来の計画)を考える
- 家庭での支出入のチェックをする
- ライフスタイルに合わせる
- 地理的な要因を考慮する
- マイホームと賃貸を比較
- 環境への配慮を考える
- 身体の健康を考える
- リセールバリューを考える
この8つのポイントを見ていただき、自身の立場に置き換えて考えてみてください。
自分にとって「マイホームは必要なのか?」、「賃貸がいいのか?」、「マイホームを建てるならこうしたほうが良さそう」など、考えるキッカケになると思います。
この記事では、住まい方の選択において考慮すべき8つのポイントについて詳しく説明させていただきます。
私自身は現在マイホームに住んでおります。
3年以上にわたり住宅について色々と勉強して、実際に家を見て回った経験があります。
そのうえで現状を知る限りは、日本の住宅の性能が本来あるべき住宅の姿からは、ほど遠い状況にある事に気づかされました。
これからお伝えすることは、未来の生活に大きく関わる考え方だと思っていますので是非ご覧いただければと思います。
ライフプラン(将来の計画)を考える
将来の家族計画やキャリアの展望を考慮に入れて住まい方を選びましょう。家族が成長する場合や転職を考える場合、住居はその計画に合致している必要があります。
人により色々と考え方など違いはあると思いますが、下記に将来考えられる事を一例として挙げさせていただきますので参考にしてください。
- 毎年旅行に〇〇回か行きたい
- 外食は毎月これくらい予定したいな
- 賃貸もしくは戸建てに住むのに毎月このくらい家賃・ローンが掛かりそう
- 結婚資金
- 子育てしていて成人するまでの学費(公立・私立・・・)
- 老後の生活
- 電気高熱費 などなど・・・
これらの「将来の目標や起こるかもしれないこと」などを考えておくと、なんとなくシミュレーションできてくるはずです。
「これをしたいから毎月このくらいの支出があるな。じゃあ今の収入だと、この辺りの調整が必要だな」
「支出が多いから、固定費見直ししよう!あとは収入を増やす工夫も考えていかないとな・・・」
「子育てを考えると、学校が近くがいいな」などなど・・・
家庭での支出入のチェックをする
住まい方を選ぶ前に、自分の財務状況を詳しく評価しましょう。
上記に挙げた想定されるライフプランなどの予算を設定し、住宅ローンやアパートなど賃料の支払いがどれだけ家計に影響を与えるかを計算します。
またライフプランには「想定外に起こること」も考慮する必要があります。それは病気や事故など「予期できないこと」に対して必要になるお金のことです。
こういった想定外が起きたときを考えると、民間の医療保険に入られる方が多くいる印象ですが、このあたりの想定外についての内容に触れた記事として「夫婦でやってみた固定費見直し 保険編」でお伝えしていますので良ければ下記の記事を参考までにご覧ください。
医療保険が必要か不必要化の結論をお伝えすると、ほとんどの方は民間の医療保険は必要ないと思います。
ライフスタイルに合わせる
住む場所は自身のライフスタイルに合わせて選ぶべきです。
会社員であれば通勤時間、周辺施設(スーパー、コンビニ、ショッピングモールなど)、子供の学校へのアクセスなど、日常生活に影響を与える要因を考慮しましょう。
ライフプランに似たようなところはありますが、生活をしてい上で利用する施設が近くの方が利便性がよく、一日を効率よく過ごせますよね。
自身が重視する日常生活に影響を与えている項目を考えてみるのは重要だと思います.
地理的な要因を考慮する
住む場所の地理的な要因は大きな選択の一部です。都市部、郊外、田舎など、場所によって提供される利点と制約が異なります。
また最近なって、大問題になっている災害についても考慮するべきです。具体的にいうとハザードマップにある地域は極力避ける事をおすすめします。
理想的ではありませんが、賃貸住宅であれば仮住まいなので住宅に被害が出ても引っ越しの検討ができますが、マイホームになると簡単にできないので要注意です。
さらに未来を考えれば、ハザードに入っている場所の資産価値が上がる可能性の方が低く、確率は高くないからという理由で、わざわざ命の危険のリスクがある場所に住む必要はないと思います。
特に、これからマイホームを建てる方はハザードマップを確認して、可能な限り購入する土地をハザード地域から避けることを強くお勧めします。人の命の危険を回避するという意味でも、とても重要なことです。
マイホームと賃貸を比較
マイホームと賃貸住宅のそれぞれには利点と制約があります。長期的な計画にどちらが適しているかを比較しましょう。
「住まい」は人生の大きなテーマであり大きな支出になる項目の一つです。最終的に「マイホーム」にするか「賃貸」にするかは意見が分かれるところだと思います。
それぞれにメリット・デメリットがあり、ライフスタイルやライフプランに合わせて選ぶ必要があります。それぞれの特徴を簡単に解説させていただきます。
マイホームのメリット
自由設計が可能
自分たちの好みに合わせて住まいを設計できるため、自分たちのライフスタイルに合った住まいを実現しやすいです。
プライバシーの確保がしやすい
賃貸に比べると隣人との距離が多少あるため家族のプライバシーや自由度が高まることで、自分たちらしい生活が送りやすくなります。
資産価値を考えることができる
住宅メーカーや住む地域に大きく左右されますが、資産として手に入れることができるため将来的に売却を検討することもできます。
ただ現在の日本の住宅のほとんどが新築で購入して年数が経過するにつれて資産価値はどんどんなくなっていくので、資産としての価値を気にするようなら、しっかりとリサーチしてから購入することをおススメします。
マイホームのデメリット
多額の費用が必要
住宅購入には多額の費用が必要であるため、購入を検討する際には長期的な貯蓄計画が必要になります。
維持費(メンテナンス、税金等)が発生する
よくある「賃貸と同じ金額でローン返済できます」という文言にマイホームを検討される方がいらっしゃいます。
ただ、実際には固定資産税の発生や、ある一定期間がたつと必ず出てくる屋根や壁などの劣化があるのでお金がかかるので、これらを交換したりメンテナンスが必要となり大きな支出が発生することが出てきます。
また賃貸では、元々ついている家電製品等(エアコンなど)は故障するとオーナーさんが交換してくれますが、この辺りも支出が発生します。
引っ越ししづらい
何かしらの都合で転居が必要になった場合、引っ越しの判断が難しくなります。
賃貸のメリット
引っ越しがしやすい
賃貸住宅は、賃貸契約が終了すれば簡単に引っ越しをすることができます。転勤が多い人、将来的なライフスタイルの変化が予測できない人には向いています。
条件に合った物件が見つけやすい
住む場所を探すのはとても簡単です。最近は賃貸住宅専用のアプリ等で簡単に希望の賃貸を検索することができます。マイホームのように完全カスタマイズとまでは行きませんが、気軽に確認し選ぶことができます。
維持管理が楽
マイホームの内容にもありますが、維持管理がとても楽です。基本オーナーが維持管理の責任を持ってくれるので、故障などがあれば管理会社などに連絡するだけで済むことがほとんどです。
一般的に賃料以外の費用がかかりづらい
マイホームに比べて初期費用がかからないです。家賃、敷金、礼金などの初期費用がありますが、家賃のみで敷金・礼金はあまり請求しない物件もあるところも増えてきています。
賃貸のデメリット
プライバシーや自由度が低い傾向にある
隣人との距離が近いことが多く、物件によってはプライバシーや自由度が低くストレスになることがあります。
長期計画が立てづらいことがある
稀ではありますが、オーナー都合での退去が発生する可能性があるので、長期的な住居計画が立てにくい場合があります。
家賃の変動があるかもしれない
賃貸物件には、家賃の値上がりが発生する可能性があります。
これについては、2024年7月現在では、家賃の値上がりに対して「同意した場合にのみ」家賃の値上がりが発生するので、法律上問題なく断ることもできます。最終的には、家賃の値上がりに関してはオーナーさんとの関わり方など考慮して検討してみてください。
マイホーム、賃貸は人それぞれの考え方や今の状況により選択が変わると思いますので、上記のメリットとデメリットを見ていただき、今後の参考にしていただければと思います。
環境への配慮を考える
環境へ配慮するということは、持続可能な住まい方を実現するということになります。
どういうことかというと、まず知っていただきたいことが、そもそも日本の住宅の歴史がとても影響しているため、高耐久で長寿命の家を作ることが難しい現状があるということです。
メーカー(多くのハウスメーカーや工務店など)が、高耐久で長寿命の家を作るのが難しい理由を、簡単に下記に説明させていただきます。
日本は戦後から人口の増加や経済成長の中で、土地の価格の上昇を考えた動きを行ってきました。つまり建物は使える状態であっても、その時の利用価値を重視して取り壊し、新しい建物を建てるようにしていたことがあります。
このような経緯もあり、新築が欲しいというニーズ(国民の8割程度)が日本には強くあります。
実際の建物自体も、極端な言い方にはなりますが取り壊す前提で作られており、長持ちさせる理由が弱いというところから、「断熱性や耐震性など」さまざまな住宅としての性能が悪い傾向があるため新築が望まれている状況もあります。
(最近になり法律の改正などの影響から考え方がかわり、住宅の性能が飛躍的に改善されてきてはいます。ただ、メーカーにより考え方が全然違うので注意してください)
前置きが長くなりましたが、このような早いサイクルでの取り壊しがあると、新たに建築する必要があり、建材となる木材を早いサイクルで必要になってくるというわけです。
実際のところ、日本での森林が住宅の構造材になるまでには、最低60年ほどかかると言われています。
これを考えると、日本ではおおよそ30年で建て替えると言われていることから、環境の再生に間に合わず、木の伐採がより進む形となります。
住宅を最低でも60年以上持つように大切に作り、守っていくことも今後の事を考えれば重要となってくるということです。
身体の健康を考える
最近になってからですが、住まう場所、つまり家の性能が高い家であると、健康に生活できる可能性が広がるということを、行政や住宅メーカーなど色々な所から情報発信がされてくるようになりました。
国土交通省からも沢山の調査やデータなどが発信されています。一部ではありますが、参考にURLを貼っておきますので、良ければ確認して頂ければと思います。
出展:国土交通省「省エネ住宅でかなう 健康&快適生活」(https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/health-effects/index.html)
こちらには5つのメリットとして分かりやすく記載されています。
- 01 夏は涼しく、冬は暖かい
- 02 ぐっすり寝られてすぐに起きられる
- 03 喘息などになりにくい
- 04 入浴事故リスク低減
- 05 掃除が楽になる
上記の5つのメリットを、もっと詳しく知りたい方は国土交通省のHPを確認してみてください。
家の中で発生する事故の情報(従来の住宅性能の悪い家)
その他に、室内での温度差が大きい住宅での事故データをご紹介します。一例ではありますが、分かりやすい情報がありましたので下記にご紹介します。
室内でも起こる、急な温度差による入浴事故について
冬などの寒い時期に、入浴事故が多いというデータがあります。分かりやすい表現で言うと、交通事故の約2倍死亡する人が多いということです。とても驚きの数字です。
こちらは政府広報オンラインに情報がありましたので、参考までに紹介させていただきます。
そのまま浴槽内で溺れて亡くなるという不慮の事故が増えています。特に65歳以上の高齢者の死亡事故が多く、毎年11月から4月にかけて多く発生しています。
厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍です(※)。冬場こそ入浴時に気をつけてください。
※資料:消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」(令和4年12月)
出典:政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/1.html)
リセールバリューを考える(マイホーム)
リセールバリューとは、簡単にいえば「その家や土地を買ったときと同じ値段、もしくはそれ以上に高く売れるかどうか」ということです。
日本の今の状況からすると、値上がりする家自体あまり多くないので、せめて値下がりしづらい家や土地を選ぶようにすることを心掛けること、また値下がりしづらい工夫をすることが大事になります。
リセールバリューの考え方のポイント3選
地域制・周辺インフラ
住宅を建てる土地の地理的な位置は、リセールバリューに大きな影響を与えます。
安全で便利な場所、学校や公共交通機関、医療施設、ショッピングセンター、スーパー等へのアクセスが容易な場所など、需要が高い地域の住宅は、将来的にも高い需要が見込まれるため、リセールバリューが高い傾向があります。
また人口増加地域なのか、人口減少地域なのかでも、今後のリセールバリューに影響してきます。インフラが整っているところは人口増加しやすいこともあるので、一緒に確認してみると参考になると思います。
住宅の状態
住宅の状態は非常に重要です。定期的な保守や修繕が行われ、内外装がきちんと保たれている住宅は、リセールバリューが高くなります。
逆に、放置されたり不適切にメンテナンスがされたりした住宅は、バリューが低下します。
未来に向けた住宅の設計と機能性
住宅の設計や機能性も考慮すべき要素です。国土交通省と環境省より2021年8月23日に発表があった「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」が公表されました。
出展:国土交通省・環境省 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策を取りまとめました(https://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210823001/20210823001.html)
この中には、2050年及び2030年に目指すべき住宅・建物の姿(あり方)や、省エネ対策等の取組の進め方等が書かれています。
要は、「将来に向けて、地球温暖化が原因となる事は極力少なくしたほうがいいから、住宅の性能をある程度まであげて対策していきましょう、環境に優しくしていかないと人間が困ります」ということです。
リセールバリューを考えることは、住宅購入の重要な要素の一つであり、将来の資産価値を保護し、増加させるために役立ちます。ですが、個々の住宅や地域によって異なるため、慎重な調査とプランニングが必要です。
まとめ
今回は、「マイホーム?賃貸?こらからの住まいについて決める人が、絶対に考えるべき8つのポイント」をお伝えさせていただきました。
- ライフプラン(将来の計画)を考える
- 家庭での支出入のチェックをする
- ライフスタイルに合わせる
- 地理的な要因を考慮する
- マイホームと賃貸を比較
- 環境への配慮を考える
- 身体の健康を考える
- リセールバリューを考える
これらのポイントを考慮に入れることで、最適な住まい方を見つける手助けになると思います。
住まい選びは重要なものですが、慎重な検討と計画を行うことで、満足できる家選びをすることができます。最終的な決定に関しては、感情的な側面(デザインやこだわりなど)だけでなく、財務的な側面と将来の展望も考慮に入れてください。
住まい方の選択があなたのライフスタイルや幸福に影響を与えるため、十分な時間と情報をかけて決断することが大切です。
最後に、住まい方を選ぶプロセスを楽しんでください。新しい家(戸建て、マンション、アパートなど)を見つける過程は、新たな冒険を始めるワクワク感と希望に満ちています。
そして、選択肢を検討する際には、家族やパートナーとコミュニケーションを取りながら進めることが大切です。
この他にも、私自身の実体験があるマイホームについても情報発信させていいただきます。
実際に性能などトータルで見て、どのようなメーカーが候補にあったのかなどもお伝えできればと思っておりますので、良ければご覧ください。
この記事を読んでいただいた方は、ひとまず下記の記事を読んでいただければ幸いです。前編と後編になっていますので、少し長いですが、重要な考えになりますのでご覧いただければと思います。